2015.6.18

在日米海軍

横須賀基地司令官様

 

抗議文

 

ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」の

横須賀基地配備に抗議し、

イージス艦追加配備計画の撤回を求める

 

神奈川平和運動センター

三浦半島地区労働組合センター

すべての基地にノーを・ファイト神奈川

非核市民宣言運動・ヨコスカ

ヨコスカ平和船団

 連絡先:非核市民宣言運動・ヨコスカ

    本町3-14 山本ビル2F TEL/FAX.046-825-0157 

 

 

 本日6月18日、米海軍横須賀基地に、新たなイージス艦「チャンセラーズビル」が配備されました。

 私たちは、昨年10月と今年1月の通告によって明らかとなった、横須賀基地イージス艦12隻体制の第1陣の入港に抗議し、追加配備計画の中止を求めます。

 集団的自衛権の行使が、現憲法下でも許されるという閣議決定。それを受けて合意された2015新ガイドラインは、平時の協力から日本以外の国に対する武力攻撃対処までの各シーンで、ミサイル防衛の対処能力の向上や共同対処を明記しました。横須賀基地のイージス艦追加配備こそは、対処能力向上そのものであり、日米軍事一体化、強化の象徴です。基地の街の市民として、これを容認することはできません。

 現在国会では、新ガイドラインで合意した日米軍事一体化の法的根拠である「安保法制」の審議が行われています。日本の平和主義を根底から覆しかねない「安保法制」に対して、全国各地で大きな抗議の声があがり、不成立の可能性も見えてきています。そうした動向を全く無視した、軍事の現場で進行する既成事実の積み重ねに、私たちは抗議します。

 ミサイル防衛は、それを打ち破るという大義名分を掲げた軍拡を、相手国に誘発するだけではなく、武器依存を深めることで、根本的かつ現実的な解決の役割を果たすべき外交交渉の余地を極端に狭め、軍事的な緊張を恒常化させるものです。この町が、こうした緊張を作り出す源であることを、私たちは拒否します。

 イージス艦配備に賛成できない、もう一つの大きな理由があります。

 垂直発射管を有し、動くミサイル発射システムであるイージス艦は、先制攻撃用に開発された巡航ミサイル・トマホークを、実際の戦争でくり返し発射し続けてきました。

 湾岸戦争とイラク戦争。ふたつの戦争の火蓋を切ったのは、横須賀を母港とするイージス艦でした。湾岸戦争は「バンカーヒル」、イラク戦争は「カウペンス」と「マケイン」。ともに横須賀母港のイージス艦が、トマホークを発射して戦争が始まっているのです。

 イラク戦争の犠牲者は19万人。その7割の134000人が戦闘に巻き込まれて死亡した一般市民です。アメリカ軍兵士の戦死も4500人を超え、除隊後の自殺者や戦争後遺症に苦しむ元兵士の多さが深刻な問題となっています。

 開戦理由とされた、フセイン政権による「大量破壊兵器の保有」も、「テロリストをかくまっている」も事実ではなかったことが、米国自身の調査で明らかになっています。開戦から12年が過ぎて、アメリカ世論の多くが「過った戦争」と判断するようになったと伝えられていますが、奪われた命は還ってきません。

 国際法に反する先制攻撃をくり返してきた横須賀のイージス艦。その艦がさらに増えることを容認できる理由がどこにあるでしょうか。

 米海軍が、アジア・太平洋に新たな緊張を作り出す横須賀基地へのイージス艦の追加配備計画を中断し、この地における対話と、軍事的緊張緩和のための再配備へと方針転換することを、強く求めます。