ジェームズ・ケリー　在日米海軍司令官様

　　　　米海軍兵士による残虐な殺人事件に強く抗議し、軍としての責任究明をもとめます

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００６年１月７日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　非核市民宣言運動・ヨコスカ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　横須賀市本町３−１４山本ビル2F
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　TEL/FAX　０４６−８２５−０１５７

　ケリーさん、私達は深い悲しみと憤りの中にいます。
　１月３日に起きた殺人事件の犯人が、米軍兵士らしいと聞いたとき、驚きと同時につらい気持ちがわきおこりました。なぜ、そんなことをしてしまったのかと。
　３日の早朝、被害女性は、仕事のために駅に向かっていたといいます。正月も開けきらない中で、いつもより更に人通りは少なかったでしょう。その心細さの中で、女性が受けた恐怖を、残虐な行為による激しい苦痛を、とても想像することはできません。
　なぜ兵士は、そんなことをしてしまったのか。
　ケリーさん、報道によると、昨日あなたは横須賀市役所を訪れ市長に謝罪しています。その中で兵士を「キティーホークに１年乗っているが、問題のない水兵だった。こんな危険な人物だと見抜けず反省している｣と弁明しています。
　たしかに事件を起こしたのは兵士です。そしてあなた方は、こうした事件が起きないために様々な対策をしてきたことを私達も知っています。横須賀母港の艦船が変わるときも、乗組員はなるべく変えないで横須賀に慣れた兵士を残す。覚せい剤吸引などにも厳罰でのぞむ。数年間問題なく勤め上げれば、除隊後の将来が約束されている。ETC。
　だからこそ、ここ２０年ほど一般人が犠牲になる殺人事件は起きていなかった。（過去には幾つも起きていたことを私達は知っています）それなのになぜ兵士はあのような残虐な行為を行ってしまったのか。｢危険な人物」だったからなのか。おそらくそうでしょう。しかし、それで済ましてしまっていいことでしょうか。
　私達は心をはせ、そして危惧しています。残虐な行為を行った兵士は、なぜそうなってしまったのだろう。そして彼だからそうなってしまったのか、と。

　軍隊は暴力装置です。そしてそれを制御し、自由と平和のために使われる、といいます。その中で、矛盾や、抑圧や葛藤はないでしょうか。今、あなた達軍隊の責任者が、自ら真摯に検証して欲しいと思います。
　重大事件が起きるたびに、あなたたちは「綱紀粛正」をいいます。もはやそれではすまないことは明らかです。